国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業 ― BIRTHDAY

サイトメガロウイルス、トキソプラズマ等の母子感染の予防と診療に関する研究班

先天性トキソプラズマ感染ゲノム診断

以下の(A)または(B)が確認されれば、先天性トキソプラズマ感染があると診断されます。

(A)生後12か月以上まで持続するトキソプラズマIgG陽性(母体からの移行抗体は、通常生後6~12か月で陰性化)
(B)生後12か月未満の場合、以下の項目のうち1つ以上満たす
① 児血のトキソプラズマIgGが母親の抗体価と比べて高値で持続する、または上昇する時
② 児血のトキソプラズマIgMが陽性
③ 児血、尿、または髄液からトキソプラズマDNAがPCR検査で検出
④ トキソプラズマ初感染の母親から出生した児で、児血のトキソプラズマIgGが陽性でかつ、先天性トキソプラズマ症の臨床症状を有する時

なお、早期の治療を行う場合には、③の体液からのトキソプラズマDNAの検出が重要となります。しかしながら、このトキソプラズマDNAの体外診断法は薬事承認された検査法ではなく、保険適用もありません。
そこで、研究班では日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症研究班(山本班)と共同で、トキソプラズマDNAのPCR検査を無償で実施します。下記のように、現時点では研究で行う必要がありますので、症例調査(下方からダウンロード可能)をご提出いただきます。

まずは、本ウェブサイトの「症例相談」から、トキソプラズマDNAのPCR検査をお申し込みください(件名を「トキソプラズマDNAのPCR検査の依頼」としてください)。その後、こちらから折り返しメールにてご連絡させていただきますので、その指示通りに対応をお願いします。

対象となる患者さん

先天性トキソプラズマ感染症の臨床診断または疑い症例
• 臨床診断された症例
• 先天性トキソプラズマ感染症を疑う臨床症状があるなど「疑い」の症例
• トキソプラズマIgM陽性の母親からの出生児
• その他、先天性トキソプラズマ感染の鑑別を要する疾患など

検査対象検体

新生児血、臍帯血
可能な限り、羊水や母体血液もお送りください。
採取した場合、髄液も検査可能です。

検体送付について

1. 血液はEDTA入りのスピッツ、羊水と髄液は滅菌スピッツ
2. 採取量は取れるだけでOK (送られてきた分からDNAを抽出します)
3. 送付は4度
4. 検体は基本、火曜日到着(月曜日が祝日の場合は水曜日。必ず到着日は事前にメールで連絡をしてください)

検体送付先

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3-1
大阪大学微生物病研究所 融合型生命科学総合研究棟7階702号室
笹井 美和 宛
電話番号:06-6879-8333

倫理審査委員会について

ご存知のように、トキソプラズマのゲノム診断の評価は結果により難しい時があります。そのため、臨床で確立した体外診断検査ではなく、研究で行う必要があります。本研究は、日本大学医学部附属板橋病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得ております(RK-210511-5)。このゲノム診断の倫理審査の必要性は貴院の判断になりますが、必要であれば倫理審査委員会にてお諮りください。日本大学医学部附属板橋病院臨床研究倫理審査委員会で承認されている倫理審査のための書類は、メールにてお送りさせていただきますので、日本大学医学部小児科学分野 森岡一朗(morioka.ichiro@nihon-u.ac.jp)までご連絡ください。
このような状況から、必要な際、判断や解釈に関しまして、日本大学医学部小児科、大阪大学微生物病研究所(山本、笹井)と日本医療研究開発機構(AMED)新興・再興感染症研究班(山本班)で結果の情報共有が行われることをご承知おき願います。

症例相談について

診断支援、検査や治療法の選択などの診療相談も行っていますので、本ウェブサイトの「症例相談」からお問い合わせください。

症例調査票

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